財産が少ないと相続で揉める?

相続について,ほとんどの人は
「ウチはそれほど財産がないので関係ない」
「相続のことはもう少し歳をとってから考えても十分に間に合う。まだ早い」
と考えるようです。

「財産が少なければ相続争いにはならない」というのは本当でしょうか。
実は,財産が多くない家庭ほどトラブルになりやすい傾向があります。
驚かれるかもしれませんが,自宅建物と敷地と預貯金しかない,ごく普通の家族の相続争いが増えています。

相続争いがおこると,解決するために家庭裁判所へ遺産分割の調停を申し立てます。
その遺産分割調停について統計があります。
遺産分割調停を遺産総額で分類したものです。そこには、遺産総額が1000万円以下のケースが全体の30.9%で,これを5000万円以下にまで広げると、実に全体の74.2%であるとのデータがあります。

では,1000万円以下の財産内容はどのようなものでしょうか?
実は自宅の建物と土地と少しの預貯金くらいです。このくらいで争いになってしまうのです。

先ほどの統計からも,財産が少なければ大丈夫というのは間違いだとおわかりいただけると思います。
1000万円から5000万円以下の範囲の財産内容だと,預貯金が多めにあるとか,株式があるとかですが,これもごく普通の家庭だと思います。
つまり,統計からは財産が少ないから相続争いにはならないとはいえません。

では,なぜ財産が少ないのにもめるのでしょうか。
財産が少ないと,それぞれの相続人が思い通りに十分な財産を取得することができないからです。

家族を争わせたくなかったら、しっかりと対策をしておくことが必要です。