お盆に「聴いた」本
前回、本を「聴く」ことを書きましたが、お盆休みにAmazon
オーディブルで、佐藤究の直木賞受賞作「テスカトリポカ」を
聴きました。
メキシコ麻薬カルテルと臓器売買とアステカ神話の絡み合う
クライムノベルです。
暴力に満ちた血生臭い物語ですが面白かったです。
以下、弁護士目線で気になった点をいくつか。
作中で作り上げられたシステムでは、無戸籍児童を集めてしばらく
面倒を見て、やがて海外で養子縁組が決まったと偽って心臓移植の
ために心臓を取ってしまうのですが、よく考えると、無戸籍のまま
では国内の制度的には養子縁組できないし、暴力団が隠れ蓑として
使うNPO法人が真っ当な事業をやってるテイを取ってるつもりだと
しても、どこかから容易にバレそうな…と思ったり。
無戸籍児童と言っても住民票はあって学校に通ってるとか、茨城県内の
無戸籍は何人と法務局に把握されてると、弁護士会の子どもの権利委員会で
聞いているので、無戸籍だからってそんなに上手くいくのかな、と思ったり。
行政に把握されていない、ネグレクトされている本当の無戸籍児童が
さらにいるのかもしれませんが。
あと作中の薬物中毒の人たちがみんなコカインを吸ってて、コカインて
そんなに日本で一般的かなぁと思いました。
それほど刑事弁護の担当件数が多いわけではありませんが、これまでに
コカイン使用で捕まった人の弁護をした覚えがありません。
これまでの経験だと、ほとんどは覚醒剤、たまに大麻、たま〜〜〜〜に
MDMAという感じです。
捕まらない人たちが使ってるのでしょうか。
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