民法改正(成年年齢の引き下げ)と少年法改正
成人となる年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が、
2022年4月1日に施行されました。
明治以来140年以上続いた成年年齢変更の大転換です。
【 民法について 】
未成年者が親の同意なく結んだ契約は後から取り消せると
されていますが、18歳と19歳は未成年者ではなくなり、この
未成年者取消権がなくなることから、ローンなどに関して
消費者被害などが増えるのではないかと懸念されています。
金融庁は全国の貸金業者から18、19歳への貸し付け状況の
報告を受けるなど監視を強め、政府は3月31日、若者を狙った
アダルトビデオへの出演強要問題について、啓発強化を柱とする
緊急対策を取りまとめました。
また、これまで女性の婚姻開始年齢は16歳と定められており、
18歳とされる男性と異なっていましたが、今回の改正で女性の
婚姻年齢を18歳に引き上げ、男女の婚姻開始年齢が統一されました。
【 少年法について 】
民法の成年年齢引き下げに合わせて、改正少年法も同日施行され
ました。
18歳19歳も引き続き保護の対象とする一方、社会で責任ある立場に
なるとして17歳以下とは区別して取り扱われます(「特定少年」)。
①原則逆送事件の対象事件拡大
「特定少年」も警察や検察の捜査を受けたあと家庭裁判所に送られ
ますが、家庭裁判所から検察に送り返す「逆送」という手続きの
対象事件が拡大され、特定少年が、死刑、無期または短期(法定刑の
下限)1年以上の懲役・禁錮に当たる罪を犯した場合は、原則として
成人と同じ裁判を受けることになります。
改正前の原則逆送事件は、16歳以上の少年が、故意の犯罪行為により
被害者を死亡させた事件に限られていました。
②実名報道の解禁
少年法では少年の立ち直りの妨げにならないよう、少年の名前など
本人と推定できる情報を報じることは禁止されていますが、
「特定少年」が起訴された場合は、実名などを報じることも可能に
なります。
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