採用面接での注意点について

 採用面接では、質問するべきではない事項があります。

 使用者は、基本的に、誰を採用するかについての自由、つまり採用の自由を有しています。そして、使用者は、その一環として、調査の自由を有しており、採用するか否かを決めるに当たって必要な事項について質問する自由を有しています。
 もっとも、調査の自由を有しているからといって、どのような質問についても無制限に認められるわけではなく、人格的尊厳、プライバシー等との関係で質問するべきではない事項があります。

 例えば、必要性が認められないにもかかわらず、支持政党、宗教、学生運動での活動歴等の思想信条にかかわること婚姻歴出生地に関すること等について質問することは、避けるべきということになります。
 また、健康状態や病歴に関しても、必要性が認められない場合には質問するべきではないことになります。例えば、事務職の応募者に対して、HIV感染の有無を質問することは、基本的に認められないと考えられます。

 もっとも、業務との関係で必要性が認められる場合には、健康状態や病歴に関する質問をすることも認められるといえます。例えば、長距離の運転を伴う業務、危険な場所での業務等との関係で、事故に直結するリスクの高い持病の有無について質問することは、応募者の適性等を判断するうえで必要な質問と認められるものと考えられます。

 応募者の人格的尊厳やプライバシーを侵害するような不適切な方法、態様の質問や調査を行うことで、場合によっては損害賠償責任を負うことになるリスクも否定できません。また、そのようなことを行っていたということにより、企業の評判や信用が低下する等のレピュテーションリスクも考えられます。
 採用面接でどのような質問をしていくかを検討する際には、このようなことにご注意いただければと存じます。