成人年齢の引き下げと消費者被害

2022年4月1日「民法の一部を改正する法律」が施行され,民法上,成年年齢が18歳に引き下げられました。法改正で,18歳になれば,「1人で契約を締結することできる」ことになり,未成年者取消権(親の同意のない契約を取り消す権利)を行使できなくなります。18歳,19歳の者が,携帯電話を購入,アパートの契約,ローンやクレジットカード契約,借り入れの保証などありとあらゆる契約をすることはでき,親がそれを知らなかったとしても,取り消すことはできません。

私は,消費生活センターなどで消費者被害の相談を受けていますが,20歳以上の若者であっても,投資,美容,資格商法など様々な消費者被害に巻き込まれ,貴重なお金を失う姿をたくさんみてきました。2016年から2020年までの5年間に,国民生活センターの取りまとめによれば,18歳または19歳を当事者とする相談は,毎年約1万件に及ぶそうです。今後,より若年層の消費者被害が増えていくことが懸念されます。家庭や学校で,消費者教育を意識することが求められます。