暴力に満ちた家庭に育つ子供たち

子どもの虐待が社会問題として取り上げられることが多くなりました。私自身,児童虐待に関する仕事に携わっており,ニュースを見聞きするたびに胸が張り裂けそうな気持ちになります。虐待のある家庭では,親から子に対する暴力(虐待)だけでなく,父から母に対する暴力(DV)もあることがよくあります。このようないわゆる家庭内暴力(子の面前で行われるDV)は,親から子に対する直接的な暴力ではありませんが,その事実だけで児童虐待に当たります。

これは2005年の児童虐待防止法の改正により,児童虐待の定義として定められたものです。「夫婦喧嘩をしただけなのに,なぜ虐待と言われなければならないのか」と反論する方もいますが,子どもがDVを目撃することで,終生取り返しのつかない心理的悪影響を及ぼす可能性があります。

このよううな負の影響や連鎖を止めるためにも,DVに悩まれている方は専門機関へのご相談を是非していただければと思います。