離婚した元夫の相続問題

離婚した元夫が,どこで,どのような暮らしをしているのかさっぱり分からないという方もたくさんいます。その場合,一番問題になるのは,元夫が死亡した場合です。元夫との間に生まれた子供は,元夫と離婚して自分が親権者として育てていても,相続人になりますから,相続問題に対処しなければなりません。

元夫が離婚後に都市部で何不自由なく暮らし,その後生涯独身だった場合には,それほど大きな問題にはならない場合が多いですが,例えば再婚して子供が生まれていた場合,経済的に困窮し借り入れをしていた場合,田舎に戻って暮らしており主な遺産が田畑ばかりで処分・維持管理が困難な場合など,元夫と没交渉だった子供が,相続問題に立ち向かわなければならないケースも多々あります。

元夫との連絡が途絶えている以上,事前に状況を把握することが難しいため,死亡した知らせを受けて初めて,問題に気が付くケースがほとんどです。そのため,元夫の遺産を,その死後に調査することはとても大変な作業になります。遺産の調査については,取引のあった金融機関に依頼し,取引履歴を出してもらうなどの方法により地道に調査するほかありません。元夫の居住地が遠方の場合などは尚更大変な作業となります。このような調査を弁護士に依頼するという方法もありますので,ご相談いただければと思います。