ある調査研究では,離婚時に養育費の取り決めをしない方は,21パーセントあまりに上るという結果があります(家庭と法と裁判22頁)。
その理由として,「離婚相手と関わりたくなかった」という方が約38パーセント,「取り決めの交渉が煩わしかった」という方が約29パーセントでした。
夫婦関係がこじれている中,養育費などについて話し合いをすることは,とてもストレスがかかる方も多いでしょうし,DVを受けている方は身の危険すらあるケースもあるでしょう。
しかし,日本のひとり親世帯の貧困率は,ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関(OECD)加盟国の中でも高い状況です。子供を母親が引き取り養育するケースがとても多く,女性の低賃金に加えて,子育てをしながら正規職員として働くことが難しいという社会背景があります。
養育費の取り決めをしても,なかなか支払いが思うように進まないケースももちろんありますが,そのような場合にも備えて,必ず「公正証書」または「調停」で養育費について合意をしておくことを強くお勧めします。
当事者同士での話し合いが難しい場合には,ぜひ弁護士に相談をしてください。離婚後であっても,養育費の取り決めをする調停をすることも可能です。
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