DV配偶者と顔を合わせずに,調停を進めたいというご相談を受けることがあります。裁判所で遭遇したり,住所を加害者に知らせていないのに調停で知られたりすることは避けたいものです。
調停では,多くの家庭裁判所で,調停申立時に,進行に関する照会書を提出する運用となっていますので,この中でこれまでのDVについて記述するとともに,相手方と顔を合わせるのは避けたいことやその理由(付きまとい,加害の恐れ,配偶者を見ると精神的不調になるなど),呼び出し時間に差を設けてほしいこと,待合室を別の階にしてもらいたいことなど希望を書いていただくことになります。
裁判所の設備の関係で,全て希望通りとならない場合もありますが,DV加害の恐れなどがあるケースでは,多くの裁判所で,できる限りの配慮をしてもらえます。
また,調停では,調停期日の最初の段階で,当事者双方を同席させ,手続の説明や進行予定などを調停委員が説明することがあります。これについては同席ではなく,個別にしてもらいたい旨伝えるとよいでしょう。
慣れない調停手続で,相手と本当に顔を合わせずに進めることができるか心配の場合には,やはり家事調停に熟知した弁護士を依頼するのが賢明です。こういった不安材料を少しでも軽減し,調停に臨めるようお手伝いをさせていただくことも弁護士の役割と言えます。
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