交通事故の過失割合について

 法律上、駐車場の優先順位が決まってる!?

 駐車場は、見通しが悪かったり道が狭かったりするため、交通事故が多発します。

 皆様も、駐車場でヒヤリとしたご経験が1度くらいはあるのではないでしょうか。

 こうした駐車場で起きた事故でよく問題となるのが、過失割合です。

 交差点の事故などは、車両がある程度決まった動きをするのでパターン化が容易ですし、どちらがどれくらい悪いかある程度予想も付きます。

他方で、駐車場の場合は、車両が不規則な動きをするので、パターン化が難しく、事故当事者もどっちが悪いかでよく揉めてしまうところです。

 しかし、実は法律上は駐車場の事故についても、以下のとおりパターン化がなされています。

① 通路進行車両:通路進行車両=50%:50%

② 駐車区画退出車両:通路進行車両=70%:30%

③ 駐車区画進入車両:通路進行車両=20%:80%

 一般的な感覚とは少しずれているところもあるので少し覚えづらいのですが、根本の考え方を理解すると覚えやすくなります。

 「駐車場は駐車しようとしている車両が一番偉い」という考え方です。

 この考え方で上記のパターンを見ると、これから駐車しようとしている「駐車区画進入車両」の過失が一番低く、次に駐車区画を探す「通路進行車両」、最後にもう駐車を終えていてそこから出ようとする「駐車区画退出車両」という順番で過失が大きくなっていっていることが分かります。

 皆様も、万が一駐車場で事故を起こしてしまった場合には、こういった考え方があると思い出してもらえれば、相手や保険会社との交渉がスムーズになるものと存じます。