問題社員への指導の際にトラブルになりがちなのは,パワハラです。
問題社員への指導は、強くなりがちです。その理由は、自分が正しく相手が間違っている、相手の間違いは、正さなくてはならないという気持ちがあるからです。
また、問題社員の問題行動に対しては,つい怒りの感情が沸き起こってしまうものです。このような怒りの感情の背景には,この社員への期待が裏切られた,社員から軽視された,社員の行動がどのような結果をもたらすかが心配だというのがあります。
そのような怒りを感じたときは、怒りの感情をそのまま相手にぶつけるよりも,その背景にある感情を伝えてみてはいかがでしょうか。
たとえば,
「私は,あなたに○○を期待していたが,それがまたミスをしたことで、とても残念な気持ちだ。」
「私は,あなたを信じていたが、○○という行動でそれを軽視されて,とても寂しい気持ちだ。」
「あなたのやり方の○○が本当にうまくいくのか,とても心配をしている。」
という具合で、「私は〜と感じている」という言い方をしてみましょう。怒りをぶつけるよりも、伝わると思います。
ところで,問題社員への対応の際に、気をつけて欲しいのがパワハラです。
相手が間違っている、改めてもらわなければと考えると、つい強く注意指導をしがちになります。それがパワハラとなりがちなのです。間違っていることは正さなければならないのはその通りです。しかし,仮に強く怒ってみたとしても、問題社員の行動が必ずしも改められるものではありません。みなさんも,怒られたときに素直に相手の言葉を聞いて,なるほどそのとおりだと感じることができたでしょうか。たぶん、怒られている最中は気持ちがいっぱいいっぱいになって冷静に受け止めきれなかったのではないでしょうか。指導注意の目的は、間違ったことを正すことにあり、自分の怒りの感情を吐き出したり、相手を懲らしめたりすることではありません。
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