将来、揉めそうなパターンには、いくつかの類型がありますが、そのうちの一つが、財産のほとんどが不動産か、自社株である場合です。
なぜ、揉める可能性が高いのかというと、それらは分けにくい財産だからです。
仮に、遺産がすべて、預金や現金であったとしたらどうでしょうか。
単純に、相続分で割るのは簡単です。5000万円の現金があったとします。2分の1は2500万円、4分の1は1250万円です。現金ですから、パラパラと数えて渡せば済みます。
ところが、不動産は分けにくいのです。
遺産分割の方法として、いっぱんに、現物分割、代償金分割、換価分割があります。
現物分割というのは、遺産として存在している物を分けようというものです。
仮に、自宅の敷地と建物が遺産だったと仮定します。皆さんのご自宅をイメージしてください。
それを2分の1、4分の1、4分の1という具合に、分けることができるでしょうか?
おそらく、真四角の更地であれば、そのような分け方も可能でしょうが、ふつうに考えれば、建物と敷地を現実に、つまり、ケーキを切るように分けるというのはほぼ不可能です。
結論からいうと、ほとんどが不動産の場合は、分けにくいために、分け方をめぐって争いとなる可能性が高いと言えます。
これに、先ほど述べたように、先祖代々引き継いできた家土地を誰か1人に継がせたいと希望が加わると、揉める可能性がきわめて高くなります。
また、自社株が財産のほとんどを占めている場合も、ほぼ同じリスクがあります。
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