相続は突然に起こります。
大切な人が亡くなるだけでもご家族にとっては辛いことですが、その後に,相続に関していろいろな手続が必要となります。
これは意外に大変で,精神的に負担となります。
また、相続がおこると,相続人どおしで話し合いをしながら,遺産を分けなければなりません。その話し合いの際に、いままでの表面には現れてこなかった問題が顔を出すことがあります。
家族であるからこそなかなか言い出せなかった想いが,相続をきっかけに表面化してくることがあります。たとえば,お子さんが相続人となった場合には兄弟間の格差とそれに関しての嫉妬が出てくることがあります。
具体的には、亡くなった親が長男と同居していた場合などです。他の相続人からすると,長男は親に優遇されてきたと見えていたりするため,相続の際には,せめて同じように扱って欲しいという想いになって現れることがあります。
また,親と同居している子がいる場合には,同居している子が親の介護を担当することが多いのですが,それを他の相続人が理解してくれないということもおこります。介護の辛さは介護を担わなかった他の相続人には理解しにくい面があります。そのように介護で苦労をされているのに,何もしていなかった他の相続人から権利主張をされると、ついお前は親のために何をしてきたのだと言いたくなります。
また,長男長女が実家を継ぐという慣習がある地方では,家を残したいという思いがあるため、民法上定められているからといって相続分が平等というは受け入れがたいものです。平等な相続分分割をしたら、結果的に、先祖から続いてきた実家がなくなってしまうという思いがあります。
この他にも,いろいろな想いが交錯するのが相続の場面です。
このような想いを背景とした話し合いにおいては,お互いの意見が食い違い、相続争いとなってしまうことがあります。そうなるとその精神的負担には計り知れないものがあります。
たとえば、
・兄から、理不尽な遺産分割協議書に判を押すように求められた
・母と姉が一緒になって、自分に不利な遺産分割を進めている
・遺言書が見つかったが、自分の取り分が少なく、その遺言書を本人が作成したのか、疑わしい
・腹違いの兄弟と遺産分割をすることになったが、揉めそうである
遺産分割で相続人同士が揉めるのは、家族間でコミュニケーションが圧倒的に不足しているためです。
親も含めて,誰もが将来の話し,相続の話しをすることはありません。
そうなると,それぞれの想いが調整されずに,相続が発生してから,その想いをぶつけ合うことになり,それがエスカレートしてしまい,後戻りができなくなるのです。
また,コミュニケーションが不足している家族間では,気持ちや考え方をどう伝えればいいのかがうまくありません。「家族だからわかってくれるはずだ。わからなければおかしい」という気持ちがあるのかもしれません。そのため,悪意はなくとも他の相続人の想いを十分に配慮せずに、一方的にものごとを進めてしまいがちです。そうなると相手も配慮されていないと反発し,お互いに意地になってしまいます。
このようになると当事者同士では話し合っても,相手の言葉を悪意のあるものと受け止め,その結果、争いが激しく,かつ長期化してしまい、お互いに精神が消耗してしまうこともしばしばです。相続争いになってしまった当事者の方の多くは、相続争いのことが頭から離れずに、睡眠不足や食欲不振などに陥り、体も精神面もダメージを受けてしまいます。
私たち弁護士は相続に関して、経験が豊富です。皆様の力になれると思います。
お気軽にご相談ください。
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