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社員が逮捕されたら

1,社員が逮捕されたら

当たり前ですが、社員は逮捕されてしまうと、自由に外部に連絡をすることができません。社員が逮捕されたことを知るのは、本人のご家族から連絡を受けたときがほとんどでしょう。 

たまに、警察官を通じて、会社に連絡がくることもあるようです。

社員の逮捕を知ったら、会社としては、どのような状況なのかについて、できるだけ情報を取得すべきです。

 というのは、その後に、会社として社員にどのように対応するかに影響してくるからです。

(1)社員がどのような犯罪をして逮捕されたのか。 たとえば、酒気帯び運転で逮捕されたのか、万引きで逮捕されたのか、暴力を振るって逮捕されたのかなど。 

(2)社員が身柄拘束を受けている場所(警察署) 

(3)可能であれば、被疑事実を認めているのか否認しているのか、出社できるようになるのはいつ頃なのか。

 

2、逮捕された後の流れ

逮捕されたら、72時間の間に勾留請求をされるか釈放されるかが決まります。 
検察官が身柄拘束を継続して捜査をすることが相当と判断した場合には、勾留の請求がなされます。逮捕されるようなケースでは、ほとんど勾留請求がされると思います。

勾留期間は、原則10日間で、延長も含めて最大20日間です。勾留される場所は、警察署の留置場です。

勾留が始まると、接見禁止がついていない限り、家族や知人が面会することが可能ですが、いくつか制限があります。

たとえば、面会時間は10~20分程度ですし、その際に警察官の立ち会いがあり、アクリル板越しに話ができるだけです。 

このような状況では、いろいろと話をしたくても難しいでしょう。

勾留されているときに、保釈申請ができないかと聞かれることがありますが、保釈申請は起訴後にしかできません。

起訴前の勾留のときには保釈申請はできません。社員が逮捕されると、逮捕から起訴されるまでの間で最大で23日間、警察の留置場に身柄を拘束されます。その間は出社できません。 起訴されて勾留が続けば、さらに身柄拘束は長期間に及びます。 起訴されると、その後、裁判の日程が決まりますが、一般的に、起訴後1ヶ月以上先に、第1回目の公判期日が指定されることが多いのです。

ということは、逮捕されたら、かなり長い期間、身柄を拘束されてしまうということです。

3、社員への対応について
このように逮捕されると、通常かなり長い期間、社員が出社してこないことになります。会社側としては、このような社員をどのように扱うべきでしょうか。 

一方的に会社がこの社員を無断欠勤扱いにするということも考えられます。家族や弁護人から連絡があった場合には、一方的に無断欠勤扱いにするのは避けたほうがよいと思います。社員本人の意向を確かめて、本人が有給の消化を希望するなら有給を適用しましょう。 
また、会社に就業規則等に休職制度の定めがあり、それを適用することが可能なのであれば、適用して休職扱いにする方法もあるかもしれません。

では、社員が逮捕されたら、それを理由に社員を解雇できるのでしょうか。 

解雇に関しては、就業規則を見てください。

多くの会社の就業規則では、「社員が犯罪行為をしたこと」を懲戒解雇の事由としています。 
では、逮捕されたら懲戒解雇できるかというとそうではありません。

判例は、私生活上の行為であっても、企業の円滑な運営に支障を来たすおそれがあるなど、企業秩序に関係を有する場合には懲戒事由となるとしています。 
注意する点は、勤務時間外の私生活上の行為であれば、本来、会社とは関係のないことであり、懲戒処分の対象にならない。

しかし、社員の私生活上の非行であっても、会社が批判されたり、会社の社会的な評価が低下したりすることはあるので、その場合に懲戒事由となるということです。つまり、社員が逮捕されたからといって、すぐに懲戒解雇することができるわけではないということです。

懲戒処分をする際には、有罪判決が確定した、あるいは、少なくとも、犯罪自体は認めているなど、懲戒事由に該当する事実が認められると判断できるようになった段階になってからがよいでしょう。 

また有罪判決を受けても、労働者の行為が「著しく企業秩序を乱した」という事情が必要です。会社の業務内容と無関係なプライベートなものであれば会社に与える影響が小さく、解雇するほどではない場合もあるでしょう。たとえば社員が業務と無関係に車を運転して交通事故を起こして有罪となっても、懲戒解雇は困難な場合が多いと考えます。 ですから、「逮捕された社員はすぐに懲戒解雇」という短絡的な発想は禁物です。

懲戒解雇は最も重い処分なので、他の処分では済まない重大悪質な事案なのかも検討したうえで行う必要があります。

たとえば戒告、減給、降格、諭旨解雇、さらには解雇ではなく、社員に自主的な退職を促すことも検討してみてはいかがでしょうか。 

 

4、マスコミ対応

社員がマスコミに報道されるような大きな事件を犯してしまった場合には、会社としては、迅速かつ誠実なマスコミ対応が必要かどうかを検討する必要があります。

逮捕される原因となった犯罪事実がプライベートな場合は別ですが、会社の業務と関連して行われた場合は迅速かつ誠実なマスコミ対応を行う必要があります。

初期対応を誤ると、社会から大きな非難を浴びてしまうような事態になりかねません。

そのようなことになれば、社会的な信頼を失ってしまい、会社の業績などにも悪影響を及ぼす危険性があります。 

 

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