顧問先の社長さんといろいろとお話しすることがあります。
経営をする上で、ヒトの問題はとても重要です。
私たちのところへ持ち込まれるのは、問題社員への対応ですが、問題社員を生まないような工夫はないか等について、顧問先の社長さんとお話しさせていただくことがあります。
今回は、そのなかから社員の目標設定についての話題をとりあげてみたいと思います。
社員に目標設定をしてもらう場合に、無理な目標を設定していないでしょうか。たとえば、いきなり年間売上げ1000万円とかを目標設定してしまい、そのまま社員をフォローしないで放置してしまうということがあります。
目標は,頑張れば達成可能な目標にしましょう。あまり簡単すぎるよりは,達せ記できるかどうか、ぎりぎりのちょっと上くらいの目標の方がよいと思います。
そして、目標を設定する際には,大きなまとまりとしてではなく、できるだけ小さな目標に分割して行うとよいです。
小さな目標に分割すれば,本人も比較的容易に達成でき,その結果,仕事に自信を持つようになります。
私は趣味でサイクリングをしていますが、たまに100㎞を超える距離を走ることがあります。サイクリングを始めたときに、自転車で100㎞を走る人がいると聞いて、驚いた記憶があります。しかし、今では私も普通に100㎞を超える距離を走ることができます。こつは、少しずつレベルアップしていくこと、分割していくことです。具体的には、30kmから始めて50㎞、80km、そして100㎞と距離を伸ばしていきました。また、一度に走りきるのではなく、30分から1時間ごとに小まめに休憩をとることにより、100㎞の距離を走ることができるようになりました。
話を戻します。目標を設定する場合には,単なる数値目標だけではなく,具体的に何をすれば良いのかという行動目標まで落とし込んであげるとよいと思います。数値目標だけを示されて、その数値から自分が具体的に何をすれば良いのかを考えて出して、行動できるのはかなりレベルが高い社員です。数値目標を示されても何をすればよいのか、具体的な行動まで考えつかない社員が多くいます。たとえば,売上げ1000万円の達成という数値目標だけではなく,具体的な行動目標として、見込み客への訪問を1日2件から1日4件に増やしてみようという具合に具体的に落とし込みましょう。
こうすれば,経験のない社員であっても自分が何をすれば良いかがわかります。
なお,このように小目標にしてかつ具体的な行動を示しても達成できない場合もありますが,そのような場合には、さらに何が不足しているのかを対話しながら把握してください。
話はそれますが、社員としてやってはならないことをしてしまう場合があります。当たり前だろうとこちらが思っていてもそう考えない人たちがいます。そのような人に抽象的な言葉で話しても残念ですが伝わらないことがあります。具体的な行動が誰にどのようなマイナスの結果をもたらすのかを想像する力がない人がいることに注意してください。そのような人には、何をしてはいけないかを具体的な行動レベルで伝えたほうがよいでしょう。想像力が欠如しているために悪意がなくてもマイナスの結果をもたらす行動をしてしまう人がいる、そのような人にはどうなるのかを考えさせる、具体的な行動レベルでやってはいけないことを示すということです。
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