遺産相続の全体像

ざくっと遺産相続の全体像を示すと次のようになる。

人が死亡して遺産相続が発生したときに遺言の有無によりその後の展開が異なる。
遺言がなければ相続人で協議が必要。
相続の発生により,遺産は相続人が共有している状態となる。
共有は実質的には凍結状態でいろいろと不便。
この共有状態を解消するために,法定相続人が全員参加して「遺産分割協議」することが必要。
協議がまとまらなければ「遺産分割調停」へ。
仮に、相続人が所在不明,痴呆症などの場合や外国にいるなどの場合には大変に面倒になる。
そのようなことが予想される場合は、あらかじめ遺言書を作成して備えておくとよい。
遺言書により誰が何を相続するか決められていないとき、そして、相続人が協議してもまとまらないときにどのように分けるかだが、原則は法定相続分で分けることになる。
法律で、相続分が定められている。
この法定相続分を修正するものとして「寄与分」「特別受益」がある。
「寄与分」は被相続人の生前に、被相続人の財産維持・増加に特別の貢献をした人が相続分を多く分配してもらえる制度。
一般的な老親の面倒をみたくらいは寄与分にあたらないので注意が必要。親と同居しているなどの場合に,老親の面倒をみた相続人が権利主張をすることが多く相続トラブルの原因となることが多い。
「特別受益」は被相続人から生前贈与もしくは死後に遺贈されたなどがあったときに、その分が差し引かれる制度。
生前贈与の有無について相続人どうしで争いになることが多い。