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弁護士に依頼するかどうか

トラブルになったときに弁護士に依頼するかどうかのポイントは,

要約すると,

①裁判に勝てるかどうかだけではなく,②裁判を起こした場合に回収できるか,相手に資力があるか,それに加えて,③裁判を起こした場合に費やされる④労力と④金銭コストを総合的に考慮し,それが割に合うのかを考えなければなりません。

それを公式に表すと,以下のようになります。

(第2公式)

(裁判に勝てるか)  (回収できるか)   (割に合うのか)

法律適合性✖証拠  ✖ 相手の資力  > (労力+金銭コスト)

 

2,さて,以上が原則的な考え方です。しかし,これには,例外があります。

たとえば,10万円の商品の代金が支払われない,よくよく話を聞いてみると,最初から支払うつもりなどなかった,つまり,騙し取られたのだとわかったとしましょう。

調査した結果,騙し取られたことを裏付ける証拠もしっかりしており,裁判をおこせば勝てそうです。

しかし,相手は無一文で,財産はありません。弁護士を依頼するには,弁護士費用がかかるし,時間も労力もかかり,割にはあわないことがはっきりしています。これをそのまま放置してしまってよいものでしょうか。

 騙し取られたのは,あなたの大切な商品です。相手の不正な行為のために,従業員が汗水たらして稼いでくれた利益が10万円フイになるのです。事故ならあきらめもつくでしょう。しかし,騙して,人に損害を与え,そのままになることは許せないと感じませんか。このようなケースをそのままにすると,従業員の士気に悪影響を与えることがあります。また,責任追及をされないと知ったら,あの会社はチョロいぞと誰かがマネをするかもしれません。このように考えると,単純に経済的に割に合うかどうかだけで判断してはいけないこと賀おわかりいただけると思います。

3,不正なことは許せないという素朴な気持ちは,感情です。

感情は人が生きていくためにはとても大切ですが,感情だけでものごとを決めるとそのときどきの感情に左右されることになり混乱します。そこで,不正は許せないという感情を整理して,理屈します。これが「正義」です。

「正義」については,かなり難しく,深い議論がなされています。何が正義かを追求する学問は「正義論」と呼ばれています。

正義の考え方の一つに「匡正的正義」(きょうせいてきせいぎ)があります。Wikipediaによると,「匡正的正義とは、一旦破壊されたあるべき状態を回復すること、すなわち、各人が持っているべきものを奪われたとき、あるいは、各人が持つべきでないものを持っているときに、それを返還したり放棄したりするように働きかけること」とあります。つまり,匡正的正義とは,何かされたら,もともとあった状態に戻せということです。

たとえば,誰かが私のものを壊したら,直せ,直せないなら弁償をしろという正義の考え方です。小さな子どもでさえ,匡正的正義という言葉は知らないにせよ,この理屈は納得できるはずです。

4,さて,あなたの商品を騙し取った人に対してどうしたらよいでしょうか。

責任追及をするのは経済的には割に合いません。

しかし,責任追及をしないと正義に反します。

ちょっと言い方は変わりますが,判断する際に,お金の面だけ考えてものごとを判断してよいかです。

これを深く突き詰めていくと,あなたの経営理念や経営哲学,生き方の哲学につながります。

企業が社会的存在であることも忘れてはいけません。

おそらく,あなたの会社にはこれらをふまえた上で企業としての基本理念・基本方針があるはずです。


5,このように(第2公式)には例外があります。図示すると以下のようになります。

 

(原則)

(裁判に勝てるか)  (回収できるか)   (割に合うのか)

法律適合性✖証拠  ✖ 相手の資力  > (労力+金銭コスト)

 

(例外)

企業の基本理念,基本方針に反すること

例)企業の存在意義にかかわること,信頼や期待にかかわること。

 

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